陸マイルで日帰り奈良旅行~監獄ホテルになる奈良少年刑務所、最後の見学会へ(画像多数あり)

奈良少年刑務所表門

先日、姉と二人で奈良に日帰り旅行をしてきました。もちろん、陸マイルで特典航空券を取るので、新幹線ではなく飛行機です。(東京―大阪間)本当は1泊ぐらいしたかったのですが、3連休のため、ちょうど良い時間の飛行機が予約できませんでした。でも、飛行機なら日帰りでもいけるよね?と決行することになりました。

 

今回の目的はこちら

奈良少年刑務所見学会

こちらのレンガ造りの建物、実は刑務所です。刑務所とは思えないノスタルジックな素敵な門構えだと思いませんか?この建物は重要文化財に指定され、2017年3月には109年もの刑務所としての歴史を終え廃庁しました。そして、今後はリノベーションされ、監獄ホテルとして生まれ変わる予定となっています。

 

現在のありのままの姿を公開することは、文化財としての保存・活用と今後のまちづくりに大きな意義があると考えられ、非公開だった部分も含め、この度、一般公開されることになりました。

 

このように歴史のある刑務所の中が公開されることは、今後はもうなく最後のチャンス。そのため、予想をはるかに上回る1万人もの人達がかけつけたそうです。私も参加し、大変貴重な体験をしてきましたので、見学会の様子をお伝えしたいと思います。ホテルになるのは、先の話(2020年予定)ですが、奈良旅行への参考にしていただけたらと思います。

 

  • 奈良少年刑務所(旧奈良監獄)とは?
  • 地元住民からの要望で重要文化財に指定
  • 私と奈良少年刑務所 子供の頃の思い出
  • 奈良少年刑務所 見学会 2017
  • 監獄ホテルとして2020年開業予定

 

奈良少年刑務所(旧奈良監獄)とは?

 

奈良少年刑務所は1908(明治41)年に山下啓次郎氏の設計で奈良監獄として建設されました。国が近代化を目指して造った「五大監獄」の一つでレンガ造りで丸屋根がユニークな表門、2階建て庁舎、放射状の舎房などが現存します。法務省矯正局に属する刑務所で、全国7箇所の少年刑務所の一つ。名称に「少年」とありますが収容者の大半は20代前半で、収容定員は696人。犯罪傾向が進んでおらず年齢が若いなど、更生の見込みが大きいと考えられる者を中心に収容しており、伝統的に矯正指導が盛んに行われていました。

 

耐震性の問題などにより廃庁、建物は重要文化財に指定。また保存・活用する事業者が募集され、建物を耐震補強や改装し、2020年をめどにホテルを開業する予定となっています。

 

詳しくは法務省ホームページ

 

地元住民からの要望で重要文化財に指定

 

奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)の建物は美しいレンガ建築として知られていたため、保存活動が起こりました。文化財として守ろうと法務省に要望したのは、周辺の自治会だそうです。

また、刑務所を設計した山下啓次郎氏の孫でジャズピアニストの山下洋輔さんが会長を務める市民団体「奈良少年刑務所を宝に思う会」も建物の保存活動を行っており、たくさんの人の声が届き、重要文化財に指定されました。

 

普通、このような施設は、地元住民からは忌み嫌われる存在だと思うのですが、この刑務所は地域に愛されていたようですね。奈良の人には「懐の深い大和心」があるとか?毎年秋になると「奈良矯正展」が開催され、受刑者の人たちによる「刑務所作業製品」の展示即売が開催。普段は入れない敷地内で行われ、地元住民も楽しみにしているイベントでした。また、奈良少年刑務所内には「若草理容室」という受刑者の職業訓練のための理容室がありました。受刑者が市民の散髪をする全国でも珍しい理容室。格安で散髪ができ、地元住民が利用していました。

 

このように地元住民に理解され、愛されている刑務所は、全国でもとても珍しいのではないでしょうか?やはりこのレンガづくりの丸い屋根が刑務所らしからぬ外観だったことが大きいのではと思います。

 

私と奈良少年刑務所 子供の頃の思い出

 

実は子供の頃、2年間(昭和40年代)刑務所横にある官舎に住んでいました。父親が刑務官で奈良少年刑務所に勤務していたからです。父の転勤で奈良に来た時、姉が言ったのか、私が言ったのか定かではありませんが、あの正門を見て「お姫様が住むお城みたい!」と言ったとか。(刑務所なのに・・・)小さな子供にも、この建物はとても素敵に見えたのですね。

 

私達兄妹は(兄もいるので)、ここの「若草理容室」で散髪してもらっていました。受刑者の運動会を見学したこともあります。運動会で使われていた段ボールで出来た汽車のオブジェ?が、翌日には通っていた幼稚園に置いてありました。(刑務所が幼稚園に寄付したのでしょう)また、幼稚園の芋ほりの行事は、奈良少年刑務所の芋畑で行われていました。そのことからも、昔から地域と良い関係を築いていた刑務所だったことがわかります。

 

つまり私にとっても、奈良少年刑務所は特別な思い出のある施設なのです。えー、刑務所が?って思われそうですね。父の転勤で全国の刑務所(拘置所)をめぐり、いつも塀の近くに住んでいましたが、奈良少年刑務所はあの建物が印象深く、特別好きでした。

 

ホテルになることはニュースなどで聞いており、ホテルになったら泊りに行きたいねと話していました。今回の見学会は、建築家である姉の旦那にメールで案内が届き、知ることができたのです。以前の私なら、わざわざ見学会のために奈良に行くことは考えなかったと思います。でも、今は気軽に飛行機が使える身。日帰り旅行の方が、家族に迷惑もかからないし、気が楽。ややハードだとは思いましたが、見学会メインの奈良の思い出をめぐる旅に出かけることになりました。

 

奈良少年刑務所 見学会 2017

 

2017年7月16日、猛暑の中、一般公開の見学会が行われました。私と姉は朝6時台の羽田発の飛行機に乗り、伊丹空港へ。伊丹空港からはリムジンバスで約1時間です。奈良少年刑務所の最寄り駅は、奈良の中心地、奈良観光に便利な近鉄奈良駅。駅からは徒歩で約30分、車なら10分程度のところです。この日は、近鉄奈良駅から刑務所までの臨時バスが出ていたようです。(後で知りましたが、臨時バスも長蛇の列だったとか。)

 

私達は、近鉄奈良駅には9時半ごろに到着。見学会は13時でしたので、五重塔を見学(興福寺は改装中で残念!)、奈良公園近くの葛のお店でお昼(ブランチ)、それから通っていた幼稚園と小学校に寄りながら、徒歩で奈良少年刑務所に向かいました。

 

幼稚園、小学校傍の転害門の観光案内所の人が 『奈良少年刑務所に行くの?今日はたくさんの人がここを通ってるよ。』と教えてくれました。ひょっとして、すごく並んでるのかも?と私達も刑務所へ急ぎました。11時半頃に到着。暑い中、すでにたくさんの人が並んでいました。

見学会行列

私達が列の後ろまで歩いていると、開催時間を1時間早めて、12時からにするという案内の声が聞こえました。並んでいた人達も開催時間の早まりをとても喜んでいましたね。日よけのテントや扇風機も用意されていましたが、とても暑かったので、この決定はありがたかったです。駅前の様子からたくさんの人が押しかけているという情報が入ったのかもしれません。午前中は市内の中高生が見学していたとのことでしたが、たぶん職員やスタッフの休憩時間を削って、予定を早めてくれたのでしょう。

 

私達は45分ほど並び、塀の中へ入ることができました。でも、これはまだまだ序の口だったと思います。列は更に蛇行しながら伸びて行き、約1万人の人が訪れ、長い人だと3時間ほど並んだと聞いています。写真撮影も自由な見学会で、たくさんの人がスマホ片手に見学をしていました。

見学コース
奈良少年刑務所正門裏側

やっと奈良少年刑務所の中へ。こちらは正門を裏側から見たところ

庁舎

庁舎前、やっとは入れたと思ったら、ここでも行列。 手入れされた立派な松ですね

中央看守所

中央看守所、5つの舎房が集る所に大きなホールがあり、監視所がある。上も下も全体を見渡すことができる眺めが圧巻

中央看守所の監視所

中央看守所の監視所を1階から見たところ

見学会の様子

放射状の舎房・・・廊下の床中央は吹き抜けで1階からも2階からも見通せるように格子状の柵がある

扉

重々しい頑丈なカギ、真ん中は覗き窓、下の小さな扉は食事等を出し入れするために使われる

独房

独房が多い。高い窓。とても狭く風通しも悪そうで、ここで過ごすのは大変辛いのではと感じた。ここに畳が敷かれ、布団で寝るそうだ

 
狂操監

精神が不安定な受刑者用の居房。騒音や大声が、他の受刑者に及ばないように一般居室棟から離れた場所に設置されていた。これは昔に使用されていたもので、江戸時代の牢屋と並んで保存されている

 

 

実習場

受刑者が刑務作業をする場所。100均などの袋詰めなども行うという

 

大仏殿

小高いところにある奈良少年刑務所内からの眺め、 若草山や大仏殿の屋根(赤の矢印部分)も見える

刑務所の塀

受刑者が作ったという奈良刑務所のレンガの塀、刑務所の塀は支えが外側にあるのが特徴

若草理容室

地元住民が利用する珍しい塀の中の理容室、私も子供の頃に利用していました

 

見学後のソフトクリーム

構内で販売されていた同じ般若寺町にある植村牧場の名物ソフトクリーム。見学会の〆に!?見学時間、約1時間半でした。とても暑かったので本当においしくて生き返りました!

 

監獄ホテルとして2020年開業予定

 

法務省は老朽化で閉鎖された奈良少年刑務所の保存、活用について、ホテル運営会社「ソラーレホテルズアンドリゾーツ」(東京都港区)や清水建設(東京都中央区)など8社で構成される企業グループに委託すると発表しました。刑務所だった施設がホテルへ転用されるのは、海外で例があるものの、日本では初めて。

 

「歴史と文化を未来につなぐ『体験型複合施設』を創出します」
「宿泊・食事・ショッピング・音楽、エンターテイメント等、様々なコンテンツが揃え、まるで『ひとつの街のような空間』として本施設を整備していきます」

 

とソラーレは提案。建物に鉄筋を挿入し外観を損なわずに耐震補強をするそうなので、安全に建物保存ができて安心ですね。

 

ホテルは旧収容棟を「文化財リノベーションホテル」(約150室)にし、5平方メートルの独房を3室分あわせて客室に。窓から旧収容棟のレンガ造りを見られる「新設ホテル」(約80室)、「無印良品」ブランドで低価格の「簡易宿泊型ドミトリー(MUJI OSTEL)」(約60床)の3つで構成されるそうです。その他、レストラン、温浴施設などを新設し2020年開業予定。また日本の刑務所の歴史などを知ることができる「史料館」も2019年10月に開館予定となっています。(以下の画像は発表された「監獄ホテル」の計画案から)

 

ホテル計画案
ホテル計画案
監獄ホテル案
監獄ホテル案
監獄ホテル客室

リーズナブルな価格設定もあるようなので、利用しやすいのも魅力です。奈良はこれだけの歴史のある観光地であるのに、ホテルが少ないことでも有名。関西の中でも、京都・大阪に比べて地味なイメージの奈良がこれを機会に人気の観光地に生まれ変わるかもしれません。東京オリンピックに開業を合わせて、外国人観光客も呼び寄せる予定なのだとか。間に合うといいですね。

 

ちなみに、刑務所の立地も奈良観光には悪くはありません。奈良観光に便利な近鉄奈良駅には車で10分程度です。東大寺や正倉院、奈良公園など、たくさん歩く必要はありますが徒歩でも充分行ける距離。実際、今回の旅行では奈良市内は全部徒歩で回りました。(ただし、素足にサンダルだったため、最後には足が痛くなりました)

 

姉は建築家の旦那と、今回のホテルの参考にもなっているフィンランドの監獄ホテル「カタヤノッカ Hotel Katajanokkaに宿泊経験があります。とても素敵なスタイリッシュなホテルだったそう。さすが刑務官の娘、建築家の妻といったところでしょうか?

そんな姉ですしね、このホテルが完成したら、必ず泊まりたいねと二人で話をしています。出来れば両親も一緒に。とても元気な80代です。3年後も元気でいてください。

 

まとめ

 

見学会の後は、奈良公園観光(東大寺大仏殿、南大門、鹿におせんべいをあげたり)を楽しみ、有名ホテル「奈良ホテル」のティーラウンジで優雅にケーキセットをいただきました。その後、近鉄奈良線で大阪の難波へ移動。難波で串揚げのお店と〆にたこ焼きを。奈良グルメ・大阪グルメも超特急で楽しむことができました。帰途は関空から羽田へ。八王子の自宅に到着したのは夜11時を回っていました。

 

かなり濃厚な1日でした。懐かしい幼稚園や小学校も見れたし、葛料理も美味しかった。何よりも奈良少年刑務所の見学会は素晴らしかったです。

父の仕事の理解も深まり、感慨深いものがありました。本当に良い経験ができて行って良かったと思います。陸マイルを貯めれば、こんな日帰り旅行が気軽にできるのが嬉しいですね。

 

父へのお土産に買いました!著者のサイン付、なかなか読み応えのある一冊、オススメです。

写真集 美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所

 

美しい刑務所

監獄ホテルが完成し宿泊しましたら、また報告します!

 

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ハンドメイドサイト『カントリークラフトB2』とその姉妹サイト『エコミニチュア*くらぶ』を運営しているshimoです。2016年に陸マイラーデビューし、旅行に行くためにコツコツとマイルを貯めています。クラフターの皆さんにも、陸マイルを貯める方法を伝授して、気軽に全国のイベントに参加してもらえたらと、このブログを立ち上げました。 運営サイト
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